お腹が空きました。
「えーー?紗耶ちゃんまだダイエット続いてんの?」
牛野の間の抜けた声が背後に響く。
え?と振り返った紗耶より先に由美がつまらなさそうに返事をした。
「そうなんです。信じられます?あの紗耶がですよ?三日で終わると思ってたのに。おかげでこっちはいい迷惑です。」
「うーん、いつもニコニコポッキー頬ばってた紗耶ちゃんを見れなくなるのは残念かな?」
「もうここんとこ毎日あの陰気臭いオーラが漂って来て困ってるんですから。」
酷い言われように紗耶はえええー、と落胆の表情。
「牛野さんこの子のはた迷惑なプチ断食辞めさせて下さい。どーせリバウンドするんだから。」
「紗耶ちゃん?今のままでも充分可愛いよ?だからね、ほら、ダイエットなんてやめちゃって、帰りにお兄さんとプリン食べに行こう?」
今日もブルーのネクタイを締めたイケメンにニッコリと顔を覗き込まれ、紗耶はじたばたと手を振った。
「いやいやいや、そんなプリンとか甘い誘惑止めて下さいっ。」