お腹が空きました。





「お疲れ様でしたー。」


残業組に頭を下げ、紗耶はビルの外に出た。


重たそうな雲。

ヤバい。傘もってないや。


雨の気配を感じながら紗耶は駅に急ぐ。


カツカツと靴から自然と高い音がでた。


カツカツ



カツカツ


紗耶はひたすらヒールを鳴らす。



カツカ…、、。



紗耶はふと顔をあげた。

そして目を見開き、息を飲む。


自然と足が止まった目の前に、



「……えっと、」



「…ちょっと時間いい?」



紗耶の帰りを待っていたらしい良介が立っていた。





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