お腹が空きました。
なんだコレ、なんだコレ、可愛い。
どんより沈んでいた気持ちが一瞬だけ浮く。
見渡すと奥は喫茶店のようになっていてすぐ食べれるようになっているようだ。
道端からすぐに購入可能なレジ前には綺麗な店員さんがたたずんでいる。
アクセサリーのようにキラキラしたケーキ。
私を食べて?と、いわんばかりのケーキ。
…。
…食べちゃおっかな。
やけ酒前に食べちゃおっかな。
「あの、申し訳御座いませんお客様。」
「?」
食い入るようにガラスケース内を見つめていた紗耶の頭上に可憐な声が降ってきた。
視線を上に上げると、綺麗なお姉さん店員が申し訳なさそうに眉を八の字にしている。