お腹が空きました。


「そんなに…、好きだったんだな。」



「え」



紗耶はパッと顔を上げた。


なんだかシリアスモード全開の杉崎に、紗耶は目を丸くする。


「その、…残念だったな。まあ、あれだ。お前もまだまだ若いし、これからだ。」


眉間に皺を作ってそっぽを向きつつも、言葉を選んで杉崎がぼそりと喋る。

…。


こ、


これは…


慰めてくれているのだろうか。



紗耶はきょとんとそっぽを向く狼さんを見つめた。






< 52 / 324 >

この作品をシェア

pagetop