お腹が空きました。

嫌いなものでも今なら食べれそう。














ぐるぐるきゅー


ぐるぐるきゅーー


「…。」


ぐるぐるきゅー


「…、ね。その漫画みたいな音、マジなの?」


「…だって、しかたないじゃん。勝手になるんだから。」


腹の音色は自分で決めれませんから。


紗耶はパソコンに向かいながら由美に答えた。


「…あんたダイエット止めたんじゃなかったの?」


「やめたよー。」


こっそりパソコンの上から覗き込む同期に、紗耶は画面の中の数字から目を離さず肯定する。


「じゃあいつも驚愕するぐらい食べてた補助食は?」


「あー…、配給制になったから。」


「???」


は?っと首を傾げる由美を残し、紗耶は入力が終わった資料を納品棚に直しに行った。


はぁ…。


紗耶は棚の死角に手を置いてため息を突く。


昼は前みたいにたらふく食べた。


なのに、何でこんなにお腹がすいてしまうんだろう…。


「(うううう…っ、杉崎さんいつ配給してくれるんだ…。)」









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