恋……スル?-菅野 聡 編-
うちの職場は、ここからなら見える距離にあるから、走れば全然間に合うんだけど。
その余裕のない出勤態勢に、うちの専務がまた朝からうるさいだろうなぁ。
私はクルリと振り返り、店の窓から向こうに映る職場“アトリエ relier”を覗いて見ようとした。
その時…
「……………………っ」
ドクン と、心臓が跳ねた気がした。
…え、ちょっと待って。
今あそこを歩いていたのは…
「…心晴ちゃん?
どうしたの?」
椅子からおりて窓の方へと吸い寄せられた私に気付いた朝陽くんが、心配して声をかけた。
…見間違え?
ううん、でもあれは…
「ごめんなさいっ
お代、ここに置いておくね」
私はお財布からお金を取り出すと、無造作にカウンターに置いた。
そして荷物を持つと、急いでお店を駆け出したのだ。
「あ あ ありがとうございまーす。
いってらっしゃい、心晴ちゃん」
せっかくの朝陽くんの声も、もう今の私の耳には届いていない。
だって、さっき向こうの通りに見た人影。
1年経ってたって、見間違う筈がない。
あれは…絶対聡だもん!
その余裕のない出勤態勢に、うちの専務がまた朝からうるさいだろうなぁ。
私はクルリと振り返り、店の窓から向こうに映る職場“アトリエ relier”を覗いて見ようとした。
その時…
「……………………っ」
ドクン と、心臓が跳ねた気がした。
…え、ちょっと待って。
今あそこを歩いていたのは…
「…心晴ちゃん?
どうしたの?」
椅子からおりて窓の方へと吸い寄せられた私に気付いた朝陽くんが、心配して声をかけた。
…見間違え?
ううん、でもあれは…
「ごめんなさいっ
お代、ここに置いておくね」
私はお財布からお金を取り出すと、無造作にカウンターに置いた。
そして荷物を持つと、急いでお店を駆け出したのだ。
「あ あ ありがとうございまーす。
いってらっしゃい、心晴ちゃん」
せっかくの朝陽くんの声も、もう今の私の耳には届いていない。
だって、さっき向こうの通りに見た人影。
1年経ってたって、見間違う筈がない。
あれは…絶対聡だもん!