恋……スル?-菅野 聡 編-
「…ごめん。
映画…やっぱりやめようか」



私の考えを勝手に察した聡が、勘違いして気を遣った。



「どこか、違う所に行こうか?
いいんだよ、僕は梅津さんの行きたい所について行くから」



「…ついて行くって。
あのねぇ」



そんなだから心配になっちゃうの!
不安になっちゃうのよ!

いくら草食男子でも、受け身になりすぎなんだから!



「別に映画でいいのよ。
変な気を遣わないで!
…ただ…」



「ただ?」



言ってもいい?
これって私のワガママ?

だけど、こんなんじゃ言わなきゃ一生わかんないだろうしね。

だから、言っちゃうよ?



「…ただね、映画見るのもいいんだけどっ。
…聡には…映画よりも、もっと私を見て…くれたらなって……」



だんだんと語尾が小さくなってしまった。


き 聞こえたかなっ
恥ずかしい!どうしようっ

やっぱり言わない方がよかったかも!?


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