恋……スル?-菅野 聡 編-
「だから梅津さんの事は見てるつもりだったけど。
もっと、見ていいの?」



今そんな風に言われるとは思わなくて、何だか顔から熱くなってきた。


な 何が気の利くセリフよ!




「そ そんなに見たいなら、ほらしっかり見なさいよ!!」



半ば逆ギレの如く、私は振り返って聡に向き合った。


あーんっ
何やってんの、私!


だってあんな風に言われて、どう返したらいいかわかんなかったから…っ!




だけど聡は、そんな私を見て柔らかく笑ってくれた。



「ありがとう。
よく見えたよ」



「…もぉっ!
あのねぇ、本当に見るだけで終わらせるつもり?」



「え?」



えぇい!
ここまで来たら勢いよ!

誰も見ていない今が絶好の機会じゃない!



「き 決まってるでしょ!
ほら、早く!」



私は顔を赤くしながら、ギュッと目をつむった。


これでまだ私に恥かかせたら、許さないからねっ!


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