恋……スル?-菅野 聡 編-
「…あのさぁ」



私の恋した彼氏は、とことん草食だ。


1年越しでようやく手を繋げるようになり、それからようやく……を交わしたけれど。

だからって、普通ここまで来たら部屋に入れるのが男だろうがーーっ!!


ってもしかして、単に私が欲求不満??


い いやいやいや!
別にそんなつもりで言ってるわけじゃあ…っ




「…大丈夫?梅津さん」



「だ 大丈夫…っ」



「じゃあ、待っててね」



「ちょおっ!
ちょおっと待ったぁ!」



尚も1人で部屋に戻ろうとする聡に、ついつい私はその腕を引っ張って止めた。



べ 別に変な期待してるわけじゃないわよ!

だけど聡の事だもの、私からリードしてやらないと、いつまで経っても進展しそうにないじゃない?


だ だからそのきっかけを、私は与えてるだけで…っ



「わ 私も、あがっていい?」



「ん、いいよ?
何もない部屋で退屈するかもしれないけど、大丈夫かな」



「ノープロブレムよ!」



…やっぱり。
期待なんかできるわけないじゃない。


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