恋……スル?-菅野 聡 編-
「……………………っ」
初めて入った、聡が1人暮らししているという部屋。
男のクセに毎日掃除しているって言うだけあって、チリ1つ落ちてないキレイなフローリング。
無駄な家具なんて一切なく、必要最低限な家電だけで構成されたリビング。
強いて聡らしいなと言えるものがあるとするならば、何やら頭が痛くなりそうな本の並ぶ棚とデスク。
後は…その大きさからして、どうしてもすぐに目につくパイプベッドってところだ。
「ね?何も面白いものなんてないだろ?
あ、何か飲み物を用意するから座っててよ」
「あ…うん」
先生やってるだけあって、勉強教える為の資料はいっぱいある。
やっぱスゴいなぁ…と思いながら、私は部屋の中を見渡していた。