恋……スル?-菅野 聡 編-
「梅津さん、はいどうぞ」



「わ。ありがと」



キョロキョロと部屋の中を見渡していると、聡が私にあったかいカフェオレを用意してくれた。



「それと…これ」



「?」



あったかいマグを手のひらで包み込むと、聡は更に何かを私によこしてきた。


それは小さな箱のようで、まぁ多分間違いなくアレが入ってる奴だ。


ヤバい、もう嬉しい!

て言う前に…
あの箱、何だか見覚えがあるって言うか…むしろよく知ってるような…。


改めて手に取って箱の外観を見てみると、小さくよく知る文字が刻まれているのが見えた。



 atelier relier



アトリエ…ルリエ…

…ん?
アトリエ relier!?




「…いつかきっとまた梅津さんから連絡くるって待ってたんだけど。
そうしたらその時に渡せたらなって思って、用意したんだ」



「……………………っ」



何だかいろんな意味でもドキドキしてきた…っ



そして私は、その箱をゆっくりと開けた。


< 108 / 116 >

この作品をシェア

pagetop