恋……スル?-菅野 聡 編-
「…まさか納品された日に、梅津さんと再会できるとは思わなかったよ」



「聡…」



私は小箱から、2つ刺さった指輪のうち小さい方を抜き出した。



そういえば、私の手掛けた依頼書にあったなぁ。

相手を想い続けるお客さんの気持ちになってデザインした指輪。


今は近くにいなくとも、いつか巡り会う為の細い糸と、永遠に忘れない事を示す勿忘草の花を合わせたイメージでデザインしたの。


まさかそれが…巡って自分のもとに返ってくるなんてね。



「…ありがとう。
スゴく、嬉しい」



「うん、よかった」




そうして、お互いの指にはめたペアリング。


天使が見守ってくれるんだもの。
きっと私たち、もうずっとお互いを見失う事なく永遠に幸せになれるよね。












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