恋……スル?-菅野 聡 編-
「お おは、おはようございます…っ」
電話の後の猛ダッシュで、涼しい気候にも関わらずじんわりと汗はかき、元々ロクなセットもしてないけれども髪はグチャグチャになってしまっている。
だけどとりあえずオフィス内に入ると、相変わらず無愛想な専務には、まずあいさつをした。
オフィスの壁に掲げられた時計は5分経過している。
て事は………アウト?
「…おはようございます?」
「あ、は はいっ
すみません!」
デスクでパソコンを開き、既に仕事は始めている専務はギロリと私の方を睨んだ。
う゛っ
やっぱり休日返上ですかっ
でもたった5分の遅刻ですけど…?
「おそようございますだろ!
どこがお早いんだ、お前はっ!」
そこですかーっ!
でも5分くらいで遅いだなんて、了見狭いじゃなーい!!
…などと思いながら、ギュッと目をつむって専務の雷に耐える。
「わかったら早く仕事を始めろ!
お前にはもう3つ依頼が溜まってんだぞ!」
「ひゃぁぁ!」
相変わらず鬼畜な専務だ!
そう怒鳴られながら私は、パタパタと自分のデスクへと駆けたのだ。