恋……スル?-菅野 聡 編-
「え… ここは…?」
彼のバイクに乗せられてやって来たのは、うちからちょっと行った先にある商店街。
もちろん、こんな夜も遅い時間だからお店はどこも閉まっている。
スーパーは開いてないけど、この商店街のどこかにまだ開いてる店でもあるのかと一応思ってみたが、そんなわけなかった。
「ねぇ…こんな所に連れて来て、何があるってのよ」
何て事はない、他と同じようにシャッターの閉まったお店の前で停まったバイク。
「ちょっとそこで待ってろ」
エンジンを切った金髪ヤンキーくんはバイクから降りると、そう言って閉まった店と店の間にある細い道へと入って行った。
「んもぉ」
何の説明もなく勝手に私をこんな所に連れて来て、しかも置いてけぼりにして。
よくそれで人の事を不規則な生活してる奴だなんて言えたものだわ。