恋……スル?-菅野 聡 編-
独り者なんて思われたくなくて2人分ずつ買って帰る、仕事上がりのコンビニご飯。


だけどもし私があの後も連絡を取っていたら、こんな風に2人分のご飯も無駄にならないですむんじゃないかって未だに思う。



「聡…………」




意地張って私の方から連絡しなかったら、本当に音沙汰なくなってしまうなんて。




「…………あちっ」



買ったばかりとは言え、コンビニおでんの癖に大根はまだ熱々。




いつか電話くれる、いつかメールしてくる。

なんてずっと待ってたら、もう1年だなんて。



「お出汁…美味しいじゃない…」



すすったお出汁が、身体の中から私を温めてくれる。





ねぇ、もしまた私の方から連絡したら…会える?



一緒にした食事や、お買い物。


あの時どんな会話をしたのかなんて、内容なんか覚えてもないのにね。




でもやっぱり、本当はもう一度会いたいの。




でも1年という空白の時間は、あまりにも長すぎだ。


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