恋……スル？-菅野 聡 編-

ニヤリと笑いながら、リュウジはまた服に手をかけて私に顔を覗かせてきた。


チラリ

また私の目に、リュウジのおヘソが映る。



「やっ
ちょっとぉ！」



こんなの、ただのヘンタイじゃない！

と思いながら、また顔に熱を感じる私は近寄ってくるリュウジを払おうと手を伸ばした。



だけどその時――――




カチャン

　ピシャ……




「あぁっ！」



リュウジを払いのけようとした手がコーヒーのカップに当たり、カウンターを見事に流れていってしまった。


しかも、ただこぼしただけじゃない。

流れたコーヒーは、そのカウンターに置いておいた私のケータイにも容赦なく襲いかかったのだ。



「や やだ！メモリ消えちゃ…
熱っ」



流れたコーヒーはまだ熱く、すぐに手に取ろうとしたケータイも下に落としてしまった。