恋……スル?-菅野 聡 編-
「もしもし…」


『バカもーん!!
梅津!お前今何時だと思ってんだ!!』



ケータイを耳にあてた途端に聞こえてきた罵声に、一瞬クラリとめまいを感じた。



「せ 専務…?」



あまりのデカい声に、目の前にチカチカ星すら出ている気がして、目をつむってブンブンと頭を振った。



『せ 専務…?じゃない!
お前はまた遅刻なのか!んーっ!?』



え、遅刻って……………



「あーーーーーっ!!」



カフェ店内の柱に掲げられた鳩時計を見て、私は目ん玉が飛び出そうになった。




「す すみません、専務!
すぐ行きます!
いえ、すぐ着きます!
だから…」



『30秒以内に出社しろ!
でないとお前は休日返上の刑だ!』



うそでしょー!!



私はまだ使い慣れてない新しいケータイをパタンと閉じると、急いでお財布を取り出した。



「朝陽くん!お代ここに置いとくね!」



今朝のモーニング代をカウンターに置くと、私はお店を出ようとした。





「待って、心晴ちゃん」

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