恋……スル?-菅野 聡 編-
ワンコのキミ
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「ん………」
まだちょっと熱い目頭を擦りながら、ゆっくりと瞼を開ける。
ぼんやりと映るのは、天井に見えるカーテンの端から漏れた光の筋。
…光の筋!?
「えっ、今何時…
やだ!もうこんな時間じゃない!」
ここんとこ仕事が遅いのもあって、朝気持ちよく目覚め、余裕を持って支度するって事が殆どないのだ。
飛び起きるように布団を押しのけてベッドから降りると、パジャマを脱いで乱雑に放る。
…これは今夜も、昨夜帰ってきた時と同じ感想を言いそうだな。
それから顔は洗って、基本的なお化粧だけはする。
「朝ご飯なんて食べる暇なぁい!」
仕事用のリクスーを着ると、バッグとキーを持って私は部屋を飛び出した。
「あーん、もぉ!」