恋……スル?-菅野 聡 編-
「おはよ、朝陽くん。
いつものね」



「あ、おはよう心晴ちゃん!
ちょっと待っててね」



「うん」



私はカウンター席に座ると、「ふぅ」っとひと息つきながらお店の中を見渡した。



こんな時間だからお客さんも少ないんだけど、でもやっぱり私みたいに出勤前のコーヒーをしていく人はいるみたい。



私はもう顔を見せただけで注文もわかっちゃうくらい、ここの常連になっちゃっているんだけどね。


だって朝早くから営業しているから、仕事前にコーヒーしに寄るには便利なんだもの。


それにね…



「心晴ちゃん、おまたせ」



いつもと違う甘い香りを漂わせたコーヒーを、ここのウェイター朝陽くんは優しい笑顔を見せながら私の前に差し出した。

< 7 / 116 >

この作品をシェア

pagetop