恋……スル?-菅野 聡 編-
それから。


リュウジが公園を去ってから、私はまだしばらく自販機の前に立っていた。


ケータイの時計を見ると、もう日をまたぎそうな時間だ。



「この場所に…聡が…」



明日も、ここに来るだろうか。

ここで待っていたら、聡に会えるかもしれない?



ケータイの番号も消えちゃって連絡の手段もなくなってしまったけど、ここにいたら偶然を装って再会できるかもしれない。


そしてもし、また会う事ができたら…そうしたら、私………っ






「…あの、すみません」



「!」



突如、暗い公園の向こうから声をかけられてビクッとした。


こんな真夜中の公園に人がいる事自体が不審な出来事だもの。

それともリュウジみたいなニート(違)が、いつまでも外をフラフラしてるとか?


< 87 / 116 >

この作品をシェア

pagetop