恋……スル?-菅野 聡 編-
「…すみません。
この辺りに、小さな紙切れが落ちていませんでしたか…?」



だんだんと近付いてくる不審な影にドキドキと恐怖しながらも、自販機から発せられた光でその姿は露わになってきた。



「……………………っ」



「古い映画の半券なんですけどね、確かこの辺りで落としたと思うんですが………」



すっかり全身が映り相手の姿を認識すると、私は言葉を失って立ち尽くしていた。



だけどそれは、相手の人物も同じだった。



メガネをかけていて、長い前髪で。

見た感じ草食系の男…。



「ぁ……………」




1年経ってたって、忘れてなんかない。



ずっと待っていた。
ずっと会いたかった彼が、今、目の前にいるんだ…っ




「梅津…さん…?」



「聡…っ!!」


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