恋……スル？-菅野 聡 編-

そのお客さんが店内に入って来ると、朝陽くんはすかさず声をかけた。


そして私はドキドキしながら、そんな様子を耳だけで探っていた。



すると、やがて…




「お待たせ、梅津さん」



「…聡！」



カウンター席で待つ私の隣に、そう言って彼は腰をおろした。



そう。
昨日、私と聡は１年ぶりに再会し、そして早速デートの約束をしたのだ。



まずは私が殆ど毎日通ってるここのコーヒー、聡にも教えてあげようと思って待ち合わせもこのカフェを指定したわけだ。



「私、先にいただいちゃった。
ここのコーヒーは美味しいのよ？
ぜひ聡にも…」



「知ってるよ。
河合さん、いつものね」



「うん。
ちょっと待っててね、菅野さん」



そう言って奥へと消えた朝陽くん。


…え？
あれ？

２人は知り合い？