恋……スル？-菅野 聡 編-

うわわっ
と思ったけど、でも私は悪い事してるわけじゃないもんねー。

なんて思っていると、ふと専務はこちらに向かってお辞儀をしてきたのだ。



（ええっ？
何で休みの私に社交辞令？←（違））


と、ちょっとビックリしたんだけど。
でも更にビックリするのが、側を歩く聡がそんな専務にお辞儀を返した事だ。



（ええええっ
２人共、知り合い？）



朝陽くんの事と言い、世間って狭いなと思ってしまう。



だけどそれは、この後もまた思う事になるのだ。





「よっ、菅野！
今日の配達はどーすっか？」



商店街を抜ける最中、通りかかった八百屋の武藤でも聡に声がかかった。



「こんにちは、武藤さん。
配達は昨日してもらったから、今日はいいと思うよ。
また必要なら電話入れるから」



「おうよ！」



…あのヤンキーの武藤くんがお店で接客してる姿を見たのも今日は初めてでビックリしたけれど。

それよりも、この慣れた２人の会話にも、もちろん私は猛烈にビックリしたわけだ。