知らない闇と、骸
「ね、ジロって私以外の人間には見えないの?」
結局あの後マルツはジロに気がつかなかったし、何より人型の妖魔が空に浮かんで口笛まで吹いているというのに、町の人も皆誰一人として気がつかない。
「見せてねぇだけだよ。いろいろと面倒だからな。」
はぁ~。とため息を吐きながら手を動かし続けるジロを見、
そういうものなのか、と心の中で納得させる。
確かに、あれは何だと、問い詰められるのは御免だ。
ジロを盗み見れば、美しいほどの漆黒の瞳が窓の外をぼんやりと見ていた。
その瞳に何が映っているのか、アレンには知ることすら出来なかった。
「クローゼット。さっきから何探してるのよ?」
「超エロいスケスケのパンツ・・・・・・・じゃねぇことは確かだよ。冗談だって。な?」
ギロリ、と睨み、羽ペンをダーツのように構えると、ジロは焦って潔白を示す。
「・・・・鬼、だよ。」
「・・・は?」