知らない闇と、骸
結界から取り出した鬼を見て、ジロがつぶやいた。
「こいつは、盗み鬼だな・・・。人形等の中に入って夜中部屋を徘徊し、好みのものを盗って来る奴だ。これは・・・消しゴムか?」
しがみついているのは、確かに遠目からみても消しゴムだ。
「消しゴムなら、鉛筆を使う機会が今まで無かったから、未使用よ?」
つまりは、新品を持って意向とした、と。別に消しゴム位良いけど。
「まあ、捕まえておくか。見せしめには良いだろう。」
ジロは鬼を特性の虫かごに入れ、窓の外に吊るした。
助けようとしたり、外に出ようとしたりすると、電流が流れるという仕組みだという。
この見せしめのおかげで、家に入ってこようとした鬼たちは自分の末路を想像して退散するらしい。
「ねえ、この家に一匹いるってことは、他の場所にも鬼がいるんじゃないの?」
私のささやかな疑問は、んな訳ねぇだろ。何言ってんだお前。的な視線を向けられたまま解決した。