知らない闇と、骸
今まで一度も口を開かなかったのは、青い髪に赤い瞳を持ち、唯一フードを被っていない男だった。
「(この娘・・・。)」
その男は、少女の顔を見て目を見開かせたまま動揺していたのだ。
この男は少女を傷つけることが出来ない。
それを知ってか知らずか、一番偉そうな一人の老人が、男に向かって話した。
「今回の件、すべてルーク。お前に任せようぞ。」
「・・・。」
「ルーク?」
「てめぇ、何ぼーっとしてやがる。」
「バロウ、俺はボーっとしてないよ。すまない、クロウ。承知した。」
お開きとなった集会。
ルークは、震えるつぶやきを口にした。
「・・・アレン。」