知らない闇と、骸


ジロが、お父様の書斎に来るのは二度目。

それも一度目は、お父様が亡くなっていた日。
扉になんて注目しない。


だけど、小さいころからこの扉を見慣れている私は明らかな変化に背筋が凍った。




「こんなの、なかったのに・・・。」

扉に飾られた、宝石たち。
それに・・・。

「なに、この、シミみたいなの・・・。」
手入れが行き届いていた扉にはシミひとつないはずなのに・・・。
取っ手の少し上。

黒いシミみたいなのが、ある。
それも。
「気味が悪いわ・・・。ドーケィド(ドクロ)の形なんて。」
その言葉にジロは眉を寄せて、そのマークを見た。


「これは、悪魔族がよくやる奴だな・・・。」
「悪魔族・・・?」
妖魔族とどうちがうのだろう?

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