知らない闇と、骸
O月X日
アレンの婚約者、ルークが居なくなった。
ルークは私の息子同然だ。心配だ。
O月△日
ルークはまだ見つからない。
どうすればいいのだろうか。アレンの元気も無くなっている。このままではアレンも危ない。
O月◇日
ルークはもしかしたら人の子ではないのかもしれない。
だとしたら、連れて行かれてしまったのかもしれない。
昔、この世界とは別に魔界というものが本当に実在することを聞いた。
ルークは、悪魔族ではないのか?
◆月▽日
ルークが消えてから長い年月が経った。
私はとうとう、見つけることができた。
この世界にルークは居るのだろうか。
◆月◇日
私は愚かだった。
なぜこんなにも馬鹿なのか・・・。
アレンは、この私を許してくれるだろうか。あの子はまだ十歳だというのに・・・。
あの鍵だけは、隠しておかなければ。アレンが見つけてしまえば私と同じことになる。どうか、ゴーズよ。わが娘に御加護を。
日記はそこで途切れていた。
鍵?
同じこと?
疑問をいくつも抱きながら、私はその日記を見つめた。
お父様は知っていた。
ルークが悪魔族だということを。
ならば。