†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
譲れない思い
「見られてる気がする?」
ここは警視庁の食堂。
あたしは美姫さんと一緒にお昼を食べている。
「はい…。なんだか、ここ数日一人でいる時とか、妙に視線を感じるっていうか……」
「視線を感じる…かぁ……」
美姫さんはお昼のピラフを一口食べた。
「その視線って言うのは……街とか歩いてる時に感じるの?雨宮くんが一緒でも?」
「廉が一緒の時は大丈夫なんです。ただ…一緒に帰れない日とか、一人で帰ってると…なんか後をつけられてるような気がして……」
そう。
ここ最近、やたらと視線を感じる。
よく分からないんだけど、誰かに監視されてるような……そんな感じ。
「まぁ……気を付けるに越したことはないわね。できるだけ雨宮くんと帰るようにしなさいよ?」
「はい。そうします」
あたしは自分のお昼のうどんを口に運んだ。
でも…なんなんだろう、あの視線。
こういう職業柄、そういったものには凄く敏感なんだよね……あたし。