†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
嫌な予感
「ーー…ん…」
ボーッとする意識の中。
フカフカなマットレスの感触。
あたしはゆっくりと目を開けた。
「おはよ、樹里」
「きゃあっ!」
突然、目の前に飛び込んできた廉の顔。
すると廉はあからさまに眉を潜めた。
「彼氏に驚くとか、ひでぇなー」
廉はケラケラと笑いながら、あたしの頬に優しくキスをする。
「も、もう!廉が脅かすのが悪いんでしょ!?」
「俺はただ、お前の寝顔を見てただけだ」
しらっとした態度で言う彼に、言葉が出てこなくなる。
廉って、あたしなんかより一枚も二枚も上手だよね……。
「よし。朝飯食うか!」
「あ。じゃあ、あたし作るよ?」
「いや、いい。お前は休んでろ」
廉はポンポンとあたしの頭を撫で、シャツを着ると寝室を出た。