†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
嫌な予感

「ーー…ん…」




ボーッとする意識の中。




フカフカなマットレスの感触。




あたしはゆっくりと目を開けた。




「おはよ、樹里」




「きゃあっ!」




突然、目の前に飛び込んできた廉の顔。




すると廉はあからさまに眉を潜めた。




「彼氏に驚くとか、ひでぇなー」




廉はケラケラと笑いながら、あたしの頬に優しくキスをする。




「も、もう!廉が脅かすのが悪いんでしょ!?」




「俺はただ、お前の寝顔を見てただけだ」




しらっとした態度で言う彼に、言葉が出てこなくなる。




廉って、あたしなんかより一枚も二枚も上手だよね……。




「よし。朝飯食うか!」




「あ。じゃあ、あたし作るよ?」




「いや、いい。お前は休んでろ」




廉はポンポンとあたしの頭を撫で、シャツを着ると寝室を出た。



< 120 / 179 >

この作品をシェア

pagetop