†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
朝ご飯を食べ終えると、仕事に向かう。
「樹里、何かあったらすぐに言えよ。何かあってからじゃ遅いからな」
「うん。ありがとう」
美智瑠さんのことがあってから、廉はすごく慎重になった。
あたしも気を付けてはいるけれど。
ーー…
「お疲れ様ー」
「お疲れ様です」
仕事が無事に終わり、着替えも済ませた後。
あたしは廉のデスクに行く。
「廉、まだかかりそう?」
「あぁ、すまない。先に帰れるか?」
廉は申し訳なさそうに言ってきた。
「大丈夫。先に部屋で待ってるね」
あたしは廉に背を向け、オフィスを出ようとした。
「樹里!」
グッと腕を掴まれ、彼を見る。
「廉、どうしたの?」
「……大丈夫か?一人で」
廉が言いたいことは分かる。
きっと美智瑠さんのことを心配してるんだ。
「大丈夫だよ。何かあったらすぐに連絡する。約束でしょ?」
「………」
廉は腑に落ちない顔で俯く。
「おーい、雨宮!ちょっといいかー?」
奥の倉庫から藤ヶ谷さんの声がする。
「ほら、廉。行かなきゃ…」
「樹里……」
廉はあたしを死角に連れ込むと、激しく口内を犯してきた。
「んっ……あ、んん…」
あまりに激しいキスに、息ができない。
でも、あたしも…廉のキスが欲しい。
あたしはたまらず、彼の背中を抱きしめた。