†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
名残惜しくも彼と別れ、署を出る。
よし。
今日は廉の好物でも作ろうかな。
あたしは駅に向かって歩き出した。
そして、しばらく歩いていると……
ザッ、ザッ……ザッ、ザッ、……
……ん?
スニーカーの歩く音がする。
しかもすぐ真後ろに。
変だな…これ、誰かを尾行してる時と同じ音だ。
あたしは職業柄、そういうのが分かってしまう。
誰かに…つけられてる?
そう思った瞬間、背筋がヒヤリとした。
そうだ。
廉。廉に電話を……。
そう思い、携帯を取り出した瞬間……
ーーバキッ!!
「うっ……」
鈍い音と共に、頭に強烈な痛みを感じた。
う、そ…。
あたし、やら…れた…?
「あらぁ〜もう?早いわねぇ……」
だ、れ……?
あたしはそう思いながらも、意識を手放した……。