†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
ーー…
「ーー…ん…」
ぼやける視界。
ズキズキと痛む頭。
ここ、どこ…?
自分の身なりを見ると、縄で手首を縛られていて、動けない。
見る限り、倉庫のような所だ。
「目が覚めたかしら?」
コツコツとヒールの音がし、甲高い女性の声がした。
「美智瑠…さん……」
そこにいたのは、廉の元カノ……美智瑠さんだった。
「あなた、警察官の割りにはあっさりと捕まったのね。全く抵抗しないし、驚いたわ」
美智瑠さんは可笑しそうに笑うと、近くにあった椅子に足を組んで腰掛けた。
「どういう、つもりですか…?」
「どういうつもりも何も…ただ単にあんたが邪魔だったから排除しようと思っただけよ。廉の横にいつまでも引っ付いて……とんだ目障りだわ」
ギロリとすごい目付きであたしを睨む彼女。
この人、本気だ…。