†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「何か飲むか?……ってて…」
廉はお腹を押さえて、顔を歪めた。
あたしは慌てて彼に歩み寄る。
「廉、いいよ。寝てて?」
あたしは彼の肩を支えると、廉はゆっくりと頷いた。
彼をベッドまで運ぶと、ゆっくりと寝かせた。
「無理しないで。まだ傷も治ってないんだから」
「……あのさ」
廉はグッとあたしの腕を掴んだ。
久しぶりに感じる彼の体温に、ドキンと胸が高鳴る。
「名前、教えて。」
「えっ?あ…宮崎、樹里です……」
名乗ると、廉はしばらく黙り込んだ。
「樹里…」
「あ、っ…」
いきなり抱き寄せられて、彼の胸に抱き込まれた。