†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ


「れ、ん…?」




「悪い…もう少し、このままでいさせてくれ」




廉はあたしを更に抱き寄せ、強く抱き締めた。




廉……廉……。




あたしは彼の背中に手を回し、その大きな胸に顔を埋めた。




記憶を失っても、こんなにも温かい。




廉は廉だ。




何も変わってなんか、ない…。




「廉、あったかい…」




「……樹里も」




優しく髪を撫でられて、心がとても落ち着く。




「俺、変なんだ。あんたのこと、知らねぇ筈なのに…触れたくて仕方ない。ずっとこうしていたい…」




チュ、と頭にキスをされて、体が強張る。




「廉…」




そのまま唇を奪われて、何も言えなくなる。




どうしよう…あたしも、キスしてほしい……。



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