†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
ーー…
「そろそろ、帰るね」
「……あぁ」
脱がされた服を着て、ブーツを履いた。
まだ体に残る気怠さが、さっきまでの行為を思い出させる。
「また、明日来るね。無理しないで…ね」
「あぁ。ありがとうな」
廉は優しく微笑み、ベッドに体を預けた。
病室を出ると、あたしは足早に病院を出た。
タクシーに乗り込み、住所を運転手に告げる。
ーー…
ガチャ…
部屋に戻ると、暗い部屋の中に立ち尽くす。