†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「廉なら中にいます。あたしはこれで」
「あっ、ちょっと樹里…」
二人を見ていたら虚しくなって、足早にそこを去った。
美姫さんの言葉に振り向く余裕もなく。
今のあたしと廉の関係…。
廉はあたしを好きだと言ってくれている。
あたしだって大好き。
でも…彼に抱かれている間も、残るのは虚しさだけ。
本物の廉に、愛してほしいだけなのに…。
愛してるのに、悲しい……。
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