†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「樹里…改めて、俺と付き合ってくれないか?」
「えっ…?」
廉はあたしを抱き締めたまま、話を続ける。
「今の俺は確かに記憶がない。だが…お前を愛してることは確かだ」
「……っ…」
正直、戸惑った。
でも…廉はあたしを好きだと言ってくれてる。
たとえ記憶がなくても…新しく作っていけばいいじゃない。
あたしは廉の背中を抱き締めた。
「う、ん…あたしを、彼女にして下さい……」
そう言うと、廉は嬉しそうに微笑んだ。
そのままベッドに押し倒される。
「廉、こんな所で…」
「個室だ。問題ない」
首筋を優しく撫でられ、体に力が入らなくなる。
「ん…っ」
「愛してる…」
ここで抱き合うのは、もう何度目だろう。
廉の熱い体温を感じれば…抵抗なんてできない。