†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「廉、もう傷は平気なの?」
無事退院した俺を、真っ先に迎えに来た樹里。
俺は記憶を無くしてから、また彼女に恋をした。
何があっても真っ直ぐに、ただ俺だけを見てくれる彼女に一目惚れだった。
俺は思わずその華奢な肩を抱いた。
「あぁ。行くぞ」
そのまま歩き出すと、樹里は照れ臭そうに俺の肩に頭を乗せてきた。
こうしていると、彼女からふんわりと香る甘い匂いに酔いそうになる。
病院にいる時も、何度も彼女を抱いた。
俺は自制心を保ちながら、家路を急いだ。