†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
樹里の胸元に顔を埋めたまま、白い太ももに触れようとしたその時。
ーープルルル…プルルル…
「……廉、電話…」
ベッドサイドに置いたままの携帯が、俺を急かすように鳴り続ける。
「いい。気にするな」
「えっ?でも…」
戸惑いを見せる樹里に、更に深く覆い被さる。
「お前は俺だけのことを考えてろ。よそ見するな」
「……っ…」
そのままブラウスを脱がせ、上半身を下着姿にした。
樹里は顔を真っ赤にして、必死に俺の胸板を押す。
「待って、廉…シャワー、浴びたい……」
「いいよ、そんなの」
そんなことより、彼女が欲しかった。
顔を合わせる度に抱き合っている俺達。
俺には記憶がない。
その分、樹里がどこかに行ってしまうんじゃないかと不安になる。
樹里はきっとそれに気付いている。
がむしゃらに彼女の体を求める俺を、必死で受け入れてくれる。
樹里のことは好きだ。
体だけが欲しいんじゃない。
ただ、俺以外の男に樹里を取られそうで怖いだけなんだ…。