†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
もっと求めて
廉が退院して、すぐに来た彼の部屋。
廉は記憶を失ってから、何か焦るようにあたしを抱く。
そんな彼を拒むことなんて出来るわけなくて、あたしはいつも受け入れてしまう。
廉に抱かれるのは嫌じゃない。
むしろ、彼の体温を感じられるのは凄く嬉しい。
でも…いったい廉は何を焦っているの?
あたしを抱くことで、何かを確かめてるの?
ーー…
「ん…」
ゆっくりと目を開けると、彼のベッドで寝ていた。
あれ?
あたし、いつの間に…。
体には廉の着ていたシャツが着せられている。
ゆっくりと起き上がると、体にはまだ気怠い感触が残っている。
「廉…」
あたしはベッドから降りると、寝室を出た。