†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ


オムライスが出来上がると、廉は美味しそうに食べてくれた。




「樹里、料理上手なんだな」




「ふふ、ありがとう」




ソファで隣に座る彼の肩に、コテンと頭を乗せる。




「あんまりくっついてると、抱きたくなるな」




「もう…」




そう言いながらも、あたしは彼から離れない。




「ったく…飯食ったら、襲うぞ?」




冗談ぽく言う彼に、そっと抱き着いてみた。




「うん…いいよ。廉の、好きにして…?」




目を丸くして、廉はあたしを見つめる。




「樹里…」




「好きなんだもん、廉のこと…」




小さく呟くと、廉は優しく笑った。




「無理させたくねぇのにな…」




「たまにくらい、いいよ」




あたしがそう言うと、廉はそっとキスをした。




「ふふっ、オムライス味のキスだ」




「言うなって」




クスクスと笑い合いながら、唇を重ねる。




この時間が好き。




廉と触れ合える時間が。


< 166 / 179 >

この作品をシェア

pagetop