†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
オムライスが出来上がると、廉は美味しそうに食べてくれた。
「樹里、料理上手なんだな」
「ふふ、ありがとう」
ソファで隣に座る彼の肩に、コテンと頭を乗せる。
「あんまりくっついてると、抱きたくなるな」
「もう…」
そう言いながらも、あたしは彼から離れない。
「ったく…飯食ったら、襲うぞ?」
冗談ぽく言う彼に、そっと抱き着いてみた。
「うん…いいよ。廉の、好きにして…?」
目を丸くして、廉はあたしを見つめる。
「樹里…」
「好きなんだもん、廉のこと…」
小さく呟くと、廉は優しく笑った。
「無理させたくねぇのにな…」
「たまにくらい、いいよ」
あたしがそう言うと、廉はそっとキスをした。
「ふふっ、オムライス味のキスだ」
「言うなって」
クスクスと笑い合いながら、唇を重ねる。
この時間が好き。
廉と触れ合える時間が。