†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「良かった…廉の記憶、戻って」
「お前のおかげだ。ずっと俺のそばにいてくれただろ。それが励みになってた」
廉はあたしを抱き締めたまま、優しく囁く。
彼の大きな胸は、本当に落ち着く。
廉はゆっくりとあたしの肩に顔を埋め、少し服をずらすとそこをゆっくりと舐めた。
「んっ……れ、ん…?」
熱い舌の感触に、ピクンと体が震える。
「悪い…ずっと記憶のなかった俺が…お前を抱いてたと思うと、腹立たしくてな」
そのままお姫様抱っこされて、寝室に運ばれる。
「廉…」
「抱きたい、樹里」
真剣な表情の彼に、何も言えなくなる。
あたしは答える代わりに、彼の唇にキスをした。
ゆっくりとベッドに押し倒されて、廉の体が覆い被さってくる。
「優しくしてやれないかもしれない…」
「うん…いいよ」
彼になら、どうされたっていい。