†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「廉、行こっか?」
「あぁ」
あたしは廉と一緒に隊長室まで行く。
「失礼します」
部屋のドアを開けると、桐島隊長は自分のデスクで資料を読んでいた。
「あぁ、ご苦労。悪いな呼び出したりして」
「いえ、大丈夫です。それより…何かありましたか?」
廉が尋ねると、隊長は険しい表情で口をつぐんだ。
「隊長?」
あたしが呼ぶと、静かに口を開く。
「…お前達を襲うように仕向けた女…篠原美智瑠のことなんだが」
「……アイツが、どうかしましたか?」
廉は怒り口調で話す。
「取り調べが続いているんだが…なかなかくちをわらなくてな。それで篠原が条件を出してきたんだ」
「条件?」
桐島隊長は廉を見ると、再び話し出す。
「雨宮を連れて来いと言っているらしい。じゃなければ何も話さない。そう言っているらしい」
「何それ…」
あたしは小さく呟いた。
やっぱり、美智瑠さんは…廉を…?
「隊長、俺行きます。」
えっ?
あたしと隊長は即座に廉を見た。
廉、本気なの…?
「廉…」
「そこで全て終わらせてくる。それでいいですよね?」
「……あぁ」
隊長は心配そうに言う。
廉…。
ほんとに、美智瑠さんのとこに…?