†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
抱き合ったあと。
あたしはベッドの上でぼんやりとしていた。
まだ、廉との感触が残る体。
そして…あたしを抱いたまま眠る彼。
「廉…」
シーツで胸元を隠して、少し起き上がると彼の頰にキスをする。
さっきも…ずっとあたしを抱き締めていてくれた。
「樹里…寒いからもっとこっち来いよ」
「きゃっ、廉…起きてたの?」
いきなり抱き寄せられて、彼の胸に埋まる。
「好きな女が隣にいて、爆睡できねぇよ」
「ふふっ、そう?」
廉の裸の胸に抱かれたまま、笑ってしまう。
「ん?何がおかしいんだ?」
「ううん。なんでもない」
廉に愛されてるんだって、すごく実感できる。