†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「………」
俺は岡田に言われた言葉を思い返していた。
今さっき、樹里が俺に泣きついてきた。
岡田にSATを辞めることを知らされたらしい。
俺は前から聞いていたからいいが……樹里は今日、初めて知ったらしい。
岡田の背負った傷を、今でも気にしている彼女。
いてもたってもいられなかったのだろう。
俺は活動服に着替えようと、男子更衣室に入った。
その時。
「う……」
部屋の奥から苦しそうな呻き声がした。