†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「……?岡田?」
俺は足早に更衣室の中に入る。
「……っ…!」
岡田はビクッと肩を震わせ、俺を見た。
見ると……胸元を苦しそうに握り締め、額には脂汗を滲ませている。
はぁ…。
ったく、何やってんだよ。
「痛むのか?どうして黙ってた」
俺はズカズカと岡田に歩み寄り、顔を覗き込んだ。
「別に……大したこと、ない」
岡田はヨロヨロとベンチから立ち上がり、ミネラルウォーターのペットボトルを持つと、更衣室を出ようとした。
「お前さ、いつまで樹里に黙ってるつもりだよ」
俺はハッキリと言った。
お前のことでアイツがどれだけ苦しんでると思ってるんだよ……。