†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
彼の決意

廉から聞いた、岡田くんのこと。




岡田くんはSATを辞める。




そして…検査結果ですら、あたしに嘘を付いていた……。




「樹里、岡田はな。お前のせいでこんなことになったなんて、一ミリも思ってない。いや…アイツはそんな奴じゃない」




「……っ…」




廉はあたしに言い聞かせるように言う。




でも、苦しいんだよ。




あたしのせいでって、考えないなんて、無理なんだよ……。




「岡田くんは優しいから、そう言ってるだけだよ。本当は……」




「樹里!」




大きな声を出す廉。




思わずビクッと肩が上がってしまう。




「廉…」




「お前は岡田のことをそんな目で見てたのか?」




「ち、ちが…」




「岡田はそんな奴じゃねぇだろが。お前が一番分かってるだろ?」




廉は苦しそうに言った。



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