†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「あぁ、もしかしてこの服のこと気にしてるのか?」
「……っ、」
岡田くんはクスクスと笑いながら、タートルネックは首をちらつかせる。
「気にするなよ。これはただ単に、俺が勝手に着てるだけだから。ほら、見せといても気持ちの良いもんじゃないだろ?これ」
「岡田くん…」
岡田くんはタートルネックの襟を引っ張り、そこに隠された傷を見せた。
ケロイド状になった、六センチ程の傷。
やっぱり、いつ見ても痛々しい……。
「岡田、お前…」
「さてと。邪魔者は退散するとしますか!二人とも、仲良くしろよ!」
岡田くんは悪戯っぽく笑うと、オフィスから出ていく。
「あ、あと俺さ。SATを辞めた後、警察学校の教官やることになったんだ」
えっ?
岡田くんが警察学校の教官!?
「本当なのか?岡田」
「あぁ。もう決めたことなんだ。それに……SATの入隊試験の方も任された。射撃の講義とか」
そっか…。
岡田くん、SATを辞めたら、教官に……。