†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「はは、サンキュー!じゃあ俺、行くな」
岡田くんはヒラヒラと手を振りながら、オフィスを出ていった。
「アイツ……良い奴だよな。」
「うん。岡田くんは……とっても優しい人だよ」
岡田くんにはどれだけ借りがあるか分からない。
あたしはそれを…これから精一杯、返していかなきゃ。
「でも……やっぱり妬けるな」
「えっ?」
ぐいっと体を抱き寄せられて、廉の腕の中にすっぽり収まる。
「ち、ちょっと!廉…」
「静かにしろって。」
耳元で囁かれて、思わず黙ってしまう。
廉は意地悪だ。
あたしが耳が弱いことを知っていて、こうしてるんだから。